ケアンズ・センテナリー・レイクスの夜間観察 その2

(その1)では四本足の動物を紹介しました。(その2)では翼のある哺乳類を紹介します。翼のある哺乳類を代表する生き物と言えば、主にコウモリです。ケアンズ周辺で見られるコオモリには、オオコウモリの仲間と、それ以外のココウモリの仲間があります。

オオコウモリの仲間は、人目につきやすい樹木を日中の塒にして過ごすので、必ずしも夜に観察する必要はないのですが、餌を求めて活発に活動している様子は夜でないと見ることができないでしょう。

Spectacled Flying Fox メガネオオコウモリ
ケアンズ周辺で最も一般的に見られる。白い襟巻が目立つ。
写真の個体はマンゴーを食べているところ。
Little Red Flying Fox オーストラリアオオコウモリ
メガネオオコウモリよりも少し小さいが、簡単には区別できない(特に夜は)。
Eastern Tube-nosed Bat ロビンソンテングフルーツコウモリ
他のオオコオモリよりもかなり小さく、ココウモリより一回り大きい。
これもオオコオモリの仲間に入る。この個体は木の実をお食事中。

日本に沢山の種類のココウモリの仲間がいるように、オーストラリアにも多種多様なココウモリの仲間が生息しています。捕獲や観察などを通じて幾つもの種類がセンテナリー・レイクスの公園地域にいることが分かっていますので、代表的なものを紹介しましょう。

Saccolaimus saccolaimus ブライスツームコウモリ
オーストラリアの危急種。発見当時は絶滅危惧種に指定されていた。
オーストラリア国内で本種を容易に観察できる場所は、ここだけと言われている。
Myotis macropus グールホオヒゲコウモリ
水面の小魚を捕まえて食べるので、他のコウモリに比べて足が大きい。音波も使える。
水面上を低く飛んでいることが多い。アデレード大学による2013年の捕獲調査で撮影。
Nyctophilus bifax キタミミナガコウモリ
日中は樹皮の割れ目や隙間を塒にしている。アデレード大学による2013年の捕獲調査で撮影。

この他にローリーオヒキコウモリといった、もっと小さいコウモリも生息している可能性があります。公園内で観察できる可能性が高いコウモリは以上です。今回は飛べる哺乳類ということで、コウモリの話になってしまいましたが、ケアンズの地域にはフクロモモンガが生息していることも分かっていますので、いずれ紹介したいと思います。(その3)では、両生類やは虫類を紹介しましょう。

cairnsfg

ケアンズの自然観察家。マングローブを徹底的に調べ、世界で最も希少とされるIUCN絶滅危惧種のヘインズオレンジマングローブがオーストラリアに自生していることを発見。2018年には新品種のダンガラオレンジマングローブの発見を発表。世界遺産Wet Tropicsカソワリアワード2017年ファイナリスト。日本野鳥の会会員。BirdLife Northern Queenslandケアンズ地区コーディネーター。

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