ケアンズのカニ:シオマネキ編 その3

これまでケアンズで見つけられる6種類のシオマネキを紹介しました。残るはあと2種類です。このうちの1つは、ソルトウォータークリークの上流側で観察できます。

地図の場所は、植物園の南側なので、町からも比較的簡単に歩ける場所です。中央を南北に流れる川の東岸は比較的歩きやすくなっています。自転車と歩行者専用の橋が川に架かっており、潮が低いときに Signaling Fiddler Crab を観察できます。このカニはオーストラリア固有種であり、オーストラリア北部でしか見ることができません。そのため、和名はまだないようです。

Signaling Fiddler Crab Tubuca signata

細長いハサミを持つ、とてもエレガントなシオマネキです。 Signaling というのは、相手に信号を送ることを意味しますが、ダンスをする姿が手旗信号を送っているように見えることと関係しているかもしれません。日中に訪れると、太陽の下で一生懸命信号を送っている姿が観察できます。

ここまで7種類を紹介しました。残る一種類の記録は Shaking Fiddler Crab ですが、筆者はまだケアンズ周辺で発見できていません。かつていた種が、町の開発で失われた可能性があります。参考までにダーウィンで撮影したものを下に紹介します。

Shaking Fiddler Crab Tubuca seismella

ケアンズ周辺で見つけることができれば、素晴らしい発見だと思います。おまけになりますが、ここで紹介した場所では Furry-clawed Crab も数多く確認できます。

Furry-clawed Crab Australoplax tridentata

cairnsfg

ケアンズの自然観察家。マングローブを徹底的に調べ、世界で最も希少とされるIUCN絶滅危惧種のヘインズオレンジマングローブがオーストラリアに自生していることを発見。2018年には新品種のダンガラオレンジマングローブの発見を発表。世界遺産Wet Tropicsカソワリアワード2017年ファイナリスト。日本野鳥の会会員。BirdLife Northern Queenslandケアンズ地区コーディネーター。

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