前回はエスプラネードで観察できるシオマネキを紹介しました。今回はケアンズの植物園付近で別のシオマネキを探してみましょう。分かりやすいように地図で場所を示します。

植物園の東側を南北に流れるソルトウォータークリークに沿って自転車と歩行者専用の通路があります。ここでは比較的最近までケアンズに分布していることが知られていなかったベニシオマネキが観察できます。ただし数が少ないので、運も大きく左右します。

ベニシオマネキ Paraleptuca crassipes

そしてもう一つ見逃せないのはシモフリシオマネキです。大げさに言うと、米粒のように小さいシオマネキです。甲羅の幅は1センチくらいあるのですが、遠目に見れば、泥の上を動く白い粒のようなものです。ケアンズでシモフリシオマネキを観察できるのはここだけかもしれません。

シモフリシオマネキ Austruca triangularis

この他、その1で紹介したリュウキュウシオマネキも沢山見られます。さらにこのルート沿いは、アシハラガニモドキの仲間が2種類、複数種類のイワガニが簡単に観察できます。運がよければナンヨウショウビンにも出会えるかもしれません。このルート一本で10種類以上のマングローブが目前に観察できる有数のマングローブ散策路です。

cairnsfg

ケアンズの自然観察家。マングローブを徹底的に調べ、世界で最も希少とされるIUCN絶滅危惧種のヘインズオレンジマングローブがオーストラリアに自生していることを発見。2018年には新品種のダンガラオレンジマングローブの発見を発表。世界遺産Wet Tropicsカソワリアワード2017年ファイナリスト。日本野鳥の会会員。BirdLife Northern Queenslandケアンズ地区コーディネーター。

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