フクロウ繁殖期 その1:Rufous Owl

毎年6月頃になるとケアンズの探鳥家の間ではアカチャアオバズクの話題が出ます。「今年は繁殖するかな?」といった具合です。ケアンズのエスプラネードから簡単に歩ける場所に6月から9月にかけて比較的高い確率でアカチャアオバズクが塒にしているシダレガジュマルがあるからです。

残念なお知らせですが、2022年12月にメス個体が車に引かれて亡くなりまた。その後、オスも行方が分からなくなっています。この場所でアカチャアオバズクが見られる可能性は非常に低いとお考えください。以下の情報は、まだメスがいた頃の話です。

アカチャアオバズク(Rufous Owl)のオス(左)とメス(右)

奥に見える大木がシダレガジュマル

このアカチャアオバズクのつがいは2015年に食痕などからこの界隈にいることが指摘されていました。地元の自然観察家のブライアンさんによる地道な探索の結果、2016年にこの場所が突き止められました。もしかすると、この木の下で自転車に乗ったおじさんに会うかもしれません。その時は声をかけてあげてください。きっと喜びます。ケアンズは野鳥の宝庫として、世界中に知られていますが、単にたくさんの種類の鳥が見られる場所というだけではなく、探鳥家や自然を愛する人が情報を共有し合うことで、ケアンズの自然がどんどん面白くなっているという背景があります。

背中に乗っているがオス

残念なことに、このエリアは治安があまり良くないため、夜の観察は非常に危険です。私も一人で歩くことは稀です。上の写真は2016年の発見に際して大勢のグループで観察会を開いたときに撮影ました。昼間は基本的に大丈夫ですが、できれば数人で行くことを推奨します。プロのガイドが付いていれば、まったく問題はありません。EYES ON WILDLIFE のパトリックさんがこの発見に大きく貢献しています。

ケアンズにはもう一か所、アカチャアオバズクが見られる可能性のある場所がありますので、その2でご紹介します。

cairnsfg

ケアンズの自然観察家。マングローブを徹底的に調べ、世界で最も希少とされるIUCN絶滅危惧種のヘインズオレンジマングローブがオーストラリアに自生していることを発見。2018年には新品種のダンガラオレンジマングローブの発見を発表。世界遺産Wet Tropicsカソワリアワード2017年ファイナリスト。日本野鳥の会会員。BirdLife Northern Queenslandケアンズ地区コーディネーター。

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